2017年10月1日日曜日

キューガーデンの危険ドラッグ

 キューガーデンの2014秋の展示は


Intoxication Season (中毒性がある植物)


ということで展示を見に行ってきました。



Blue Agave、 Agave tequilana
テキーラ(メキシコの蒸留酒)の原料。メキシコから中央アメリカ原産。


タバコ、 Tabacco, Nicotiana tabacum


茶、 Tea、 Camellia sinensis


コーヒー、 Coffee、 Coffea Arabica


カヴァ、Kava, Piper methysticum

根を乾燥させ粉状にして水に混ぜるか、あるいはそのまま水で揉み出した液体がカヴァで、これを飲用する。南太平洋のフィジー、トンガ、サモアなどで常用される嗜好品。ヤンゴーナ自体の植生域はハワイからニューギニアまでと広い。カヴァの効果は鎮静作用を主とする。アルコールは含有しないが、酒に酔った時のような酩酊感がある。飲用時、口内の痺れを覚えることが多い。


紅天狗茸、 Fly agaric、 Amanita muscaria
毒キノコ。北半球の温暖地域から寒冷地域でみられ、食べると下痢や嘔吐、幻覚などの症状をおこす。


チョウセンアサガオ Daturastramonium
種に含まれるアルカロイドを過って摂取すると、全身の筋肉が弛緩して脱力感を覚えたり、胃運動が低下して嘔吐を催す。摂取量が多い場合には意識混濁、言語障害、見当識障害、昏睡、記憶喪失などの諸症状をもたらす。意識障害が発生すると、一時的に外界からの刺激に対する反応が失われて、他人とのコミュニケーションが取れなくなる。興奮状態になって、過去の出来事や、夢や、未来の願望など、内面から湧き上がるものをもとに、自覚のないまま行動する。その後昏睡状態が十数時間続くことがあり、これらの症状が収まったときには、譫妄状態に陥っていた間の記憶が失われる逆行性健忘症を引き起こすことが知られている。性質を用いて全身麻酔や自白剤として用いられたことがある。 スコポラミンには緩和な中枢抑制作用があり、1804年に華岡青州がこの植物から通仙散と命名した麻酔薬を作り、世界初とも言われる全身麻酔下で、乳癌の摘出手術をしたことで有名である。


マリファナ、Cannabis sativa
中央アジア原産。、葉や花に含まれるテトラヒドロカンナビノール(THC)は人体に作用し、摂取すると陶酔感や多幸感を覚えたり、食欲、睡眠欲が増進するなどの向精神作用がある。花穂や葉を乾燥した物(通称マリファナ)や、同部分から抽出した樹脂(通称ハシシ)はTHCを含有しており、世界中で規制薬物の対象とされる。繊維利用の研究が進んだ米国や欧州では、繊維利用を目的とし品種改良した麻をヘンプ(hemp)と呼称し、規制薬物カナビス(cannabis)と区別している。


幻覚性サルビア、Salvia Divinorum
メキシコのオアハカ州の山峡や湿潤地帯といった限られた地域でしか生育していない。 マサテコ族は幻覚性サルビアの葉を5枚ほど手ないしは石臼で刻み、水に浸したものを経口摂取することで頭痛の解消や、リュウマチ症状の緩和を行う万能薬として利用する。成分に含まれているサルビノリンAが、幻覚症状を引き起こすことが判明している。


ペヨーテ、 Peyote cactus, Lophophora williamsii
ペヨーテはアズテック語で「青虫」を意味するペヨトルが語源である。とげのない小さなサボテンで、アメリカ合衆国南西部からメキシコ中部が原産地。地上に出ている円盤状の部分を地下の塊茎から切り離し、乾燥させボタン状にしたものを、そのまま噛んだり、あるいは煎じて飲むことによって幻覚などの精神的効果が得られる。アメリカ・インディアンを中心に治療薬として使用されている。


アヤワスカ、 Ayahuasca, Banisteriopsis caapi
アマゾン川流域に自生する蔓植物。アヤワスカは、ペルー、ボリビアなどの先住民族の言語であるケチュア語で、「魂のつる」、「死者のロープ」という意味をもつ。「アヤ」は、魂、精霊、先祖、死者などを指し、「ワスカ」は、つる植物全般やロープを意味する。煮出して作られた向精神性の飲料を飲むと、嘔吐を伴う強力な幻覚作用をもたらす。主にアマゾン西部の先住民族が儀式や民間療法、宗教儀式などに用いる。


コカ、 Erythroxylum Coca
南アメリカ原産の樹木。コカの葉からコカイン(局所麻酔薬、麻薬)を抽出できる。南米では葉を茶として飲用するなど、一種の嗜好品や薬用として伝統的に利用されている。コカ茶はコカの葉を干したもの数枚〜数十枚に熱い湯を注ぎ、しばらく待ってから飲む。きわめて日常的な飲み物で、ティーバッグも売られている。 ボリビアなどの標高が高い地域では、旅行者などが高山病に罹りやすいため、コカの葉を直接口に入れて噛んだり、コカ茶を飲むことによって、コカの成分を体内に取り入れて、高山病の症状(頭痛、内臓の不快感など)を緩和させることもある。 初期のコカ・コーラにはその名前の由来のコカの麻薬成分が入っていた(!)が現在は入っていない。


アラビアチャノキ、Khat, Catha edulis
飲酒の禁じられているイスラム世界のうち、アラビア半島から東アフリカにかけての地域においては、酒などの代用として嗜好品として需要が高いが、イスラム世界のほとんどの国ではその特性のため麻薬として非合法となっている。エチオピアでは合法とされており、多くの人々に噛まれている。イエメンでも合法であり、イエメン人の社交生活になくてはならないものである。イエメンでは午後になるとカートの若葉を噛みながら街角に集まり、和やかに談笑している光景が見られる。ソマリアでもカートは流通しており、海賊の身代金の一部がカートで支払われることもある。また、海賊行為や戦闘に出る時に噛んで恐怖心の抑制や気分高揚を図る事もある。

アヘン芥子、 Opium Poppy,  Papaver somniferum
地中海または東ヨーロッパ原産。メソポタミアで薬草として栽培されていたとされ、シュメールの楔形文字板にも栽培記録がある。エジプトを経てギリシャに伝わり、ローマ帝国を経てヨーロッパ全土に広まった。未熟果に傷をつけると出てくる乳液からアヘンが穫れ、大航海時代に世界各地に広まった。イギリスは植民地であったインドで栽培を行い、生産されたアヘンを中国へ輸出し莫大な利益をあげた。それを精製したモルヒネや、モルヒネを化学的に変化させたヘロインは麻薬に指定されている。しかしモルヒネは鎮痛鎮静剤として医学薬学的に重要であり、特に癌患者の激痛を和らげたり治療に不可欠である。国際的に紛争が起きている地域で、住民が手っ取り早く現金収入を得るために国際条約を無視して本種を栽培するケースが多く、21世紀に入ってから条約無視の不法ケシ最大生産国はアフガニスタンで、2014年時点で全世界生産量の70%が同国産となっており、タリバンなど同国反政府組織の重要な資金源となっている。

「 触ったり食べたりしないでください。これらの植物は有毒だから。」って、怖過ぎるんですけど。

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